
ケアプランAI化でケアマネへの影響は?メリット・デメリットを調査
2017年頃からつぶやかれてきた「ケアプランAI化」ですが、すでに2018年10月にはシーディーアイが一般公開を実施済みで、さらには2019年1月にはウェルモが実証実験開始を発表するなど、目まぐるしく日々進化している様子が分かります。
これらは、政府が2020年初頭までに、「介護の書類を半減させる」とも発表している対策の要ともなる取り組みです。
これにより、「いよいよケアマネの仕事がなくなるのでは…?」と不安に感じているケアマネさんも多いのではないでしょうか?
「AIの進化により、人間の仕事がなくなる」と言われていますが、ケアマネの業務も他人事ではなくなってきましたよね…。
「AIでケアプランを作れるようになるらしいぞ…!」という事実を知っていても、実際にはどんなメリットとデメリットがあるのか?までは把握できていないという方も多いかと思います。
日々の業務に加えて、度重なる「研修」や更新される「制度」の内容も勉強し続けなければならない忙しいケアマネさんのためにも、この記事ではAIがケアプランを作ることにより、どんなメリットとデメリットがあるのか?について、独自に調査してみました!
あくまで、現時点で考えられる将来の可能性に関する話にはなりますが、きっとお役に立てる情報となっているはずです!
それでは、どうぞ最後までご覧下さい!
もくじ
ケアプランAI化でケアマネへの影響は?メリット・デメリットを調査
冒頭でも触れたとおり、ケアマネさんがAIの進化により最も懸念しているのは「ケアマネの仕事が無くなるのではないか?」ということではないでしょうか?
2025年にピークを迎える超高齢社会に向けて、年々日本の介護費は上がっています。
それを改善するために、様々な施策が講じられていますが、ケアプランAI化もそのうちの一つです。
介護における書類作成業務は、「利用者様とのコミュニケーション」などといった、最も重きを置くべきである重要な業務をも圧迫してしまうほど、問題視されていますが、ケアプランAI化によりこの問題が少しでも解消されれば、ケアマネも利用者様との交流を持つ時間をさらに濃くすることができそうですよね。
しかしその分、AI導入によりケアマネ業務が円滑に回せるようになれば、1人のケアマネが担当できる利用者様の数が増えるかもしれませんし、単純に人員削減という手段を講じる会社も出てくるかもしれません。
これは、どんな仕事にでも言えることではありますが、科学の進化とともに、「仕事」の形は変化していくものですので、ケアプランAI化によるケアマネへの影響も0ではないことが予想されます。
ちなみに、コチラの動画でも分かりやすい解説がされていましたので、参考にされてみてはいかがでしょうか?
ケアプランAI化のメリットは?
まずは、ケアプランAI化によるメリットについて考えてみたいと思います!
作業効率がUPする
上記動画内の解説にもあるように、ケアマネによっては、ケアプランを作成する時間だけで月に40時間、労働時間の約2割もの時間をケアプラン作成に当てているというデータがあります。
ケアプランAI化が導入されることで、これらの時間が大幅に短縮されることが予想されますので、かなり作業効率がUPするのではないでしょうか?
書類が減る
AIが正確なデータを蓄積してくれるようになれば、書類の作成を減らすことができますよね?
書類作成業務は、書類を作ること自体も大変ですが、それらを正しく管理することもとても大変です。
「気がついたら、更新期限が過ぎていた…」という経験をされたことがあるという方も少なからずいらっしゃるのではないでしょうか?
監査などのたびに、「ちゃんと書類が揃っているかな…?」と心配になる必要はなくなりそうですよね…!
サービスの質が向上する
ベテランケアマネと、新人ケアマネが作成するケアプランの内容には、大きな幅がありましたが、ケアプランAIにより「経験」や「知識」といったものの幅がだいぶ狭まるのでは?と予想することができますので、サービスの質が向上します。
また、専門性が求められるケアマネの仕事ですが、前職の特徴から「苦手分野」というのは、やはり人によってバラつきがあるものです。
例えば前職が介護職だったケアマネにとっては、「医療面が苦手…」という方が多いように感じます。
そして、逆に看護師が前職だった方は、医療的な価値観に偏ったケアプランの構築をしてしまいがちであるというデメリットもあります。
これらの、知識や経験のバラつきが整えられれば利用者さんにとって、最適なケアプランを提案することができるはずですので、サービスの質は飛躍的に向上するのではないでしょうか?
利用者が自らケアプランを作成できる?
今のところ、AIが導入されたとしてもケアマネありきな技術となっているようですが、さらにAIの進化が進めば、「利用者がスマホやタブレットから必要事項を選ぶだけで、自分に最も適したケアプランを作ることができる!」というようになるかも?しれません。
高齢者の健康寿命が長くなり、介護サービスへのニーズが多様化してきていることから、サービス事情所も選ばれる努力をする必要があります。
もしも、ここまでAIが進化する未来が訪れれば、今までは事業所とケアマネの人間関係などによって偏りがあったサービスにも均衡が保たれるようになり、質の高いサービスを提供している事業所のみが生き残る時代が到来しそうです。
ケアプランAI化のデメリットは?
もちろん、ケアプランAI化が進むことによるデメリットも考えられますのでご紹介していきます。
ケアマネ不要説…
ケアマネAI化により、一番最初に思い浮かぶのは、すでに何度もお話しているように、ケアマネが不要になる「ケアマネ不要説」ではないでしょうか?
単純にケアマネ業務が簡略化できるようになれば、今存在しているケアマネは不要になることも予想されます。
各サービス事業所の担当者が、利用者のモニタリング結果をAIに入力すれば、そこから割り出されたデータをもとに、自動的にケアプランの見直しが行われるようになるかもしれません。
そうなってくると、いよいよケアマネの存在価値は低くなってくると思いませんか?
現時点では、介護や福祉の業界の要となっているケアマネですが、国家資格でもないため、今後どこまで大切に扱われていくのか?という疑問を抱いてしまいます。
人間味のないケアプランになる?
AIがケアプランを作成するともなれば、「人間味のないケアプランが作られるのでは?」という声もあります。
介護や福祉はやはり、人間同士のコミュニケーションがもとに成り立つものですので、機械的に作られる文書やケアプランの内容は、「思いやり」や「あたたかみ」のないものになるのでは?という心配があります。
ケアプランAIってそもそもどんなもの?
という方も実は多いのではないでしょうか?
そこで、ここではケアプランAIについて噛み砕いて解説をしていきますので、ぜひ参考にしてみていただきたいと思います。
CDI:CDAI Platform MAIA
MAIAは、アセスメント情報を入力すると、過去の様々なデータから検証した結果、その利用者さんに適していると思われる推奨プランを3種類自動で作成してくれます。
その後担当ケアマネが推奨プランをベースに、利用者さんの状態に合わせたより専門性の高いプランを作成して、活用していくというものです。
ケアプランを1から作る訳ではなくなるというのは、かなり作業効率がUPしますよね!
また、そこからケアマネが作り出したプランの内容に沿って、その後利用者さんがどのような経過を辿るのか?という予想まで立ててくれるので、ケアマネだけではなく、利用者さんご本人やご家族にも分かりやすいというメリットがあります。
ウェルモ:ケアプランアシスタント(ACP)とは?
ウェルモが開発中のケアプランAIの名前は、「ケアプランアシスタント(CPA)」と言います。
CPAが作成できるのは、ケアプランの「第2表」だけです。
様々な過去のデータを収集し、対象の利用者様の状態に最も適しているプラン構築のサポートをしてくれるものとなっています。
CPAには医療や看護、リハビリなどに関するデータが入っているようですが、やはりケアマネ(人間)が行う臨機応変で多岐に渡る専門的な知識を全てカバーできるものではありません。(これからどんどん進化することが予想されますが…)
しかし、ケアプラン作成作業の中で最も重要で時間のかかる第2表の作成がスムーズに行われるようになれば、作業効率はUPしそうですよね!
ちなみに、ケアプランAIを導入した際に期待される作業時間の短縮は4%だそうです。
4%という数字は、今はまだ多くないように感じますが、これからさらに進化していくんでしょうね…!
AI導入によりケアプランを作成する。
是非早く導入して欲しいですね。
ただ、現状短縮時間は4%時間だそう…導入コストや利用に慣れるまでの時間を考えるとまだまだ障壁はありそうです。#介護 #介護ニュースhttps://t.co/1NQUy8unBB— 東京介護ニュース (@Tokyo_KaigoNews) July 11, 2018
ケアプランAIへの評判・口コミは?
実際にケアマネさんや、介護・福祉業界に関わる方々は、ケアプランのAI化についてどんな印象を抱いているのでしょうか?
twitterから、リアルな声を調査してみた結果をご紹介したいと思います。
AIのケアプラン作成ソフトは、ケアマネ業務を補うものであり、ケアマネ自体の存在を脅かすものではない。
これは、確かです。
ですが、同じケアプランばかり作ってる、ほんとの一部のケアマネは、淘汰されることは起こります。
— きたにん@医療福祉マネー批評家 (@north_helper) February 9, 2019
このご意見はごもっともですね…。
AIに使われるようなレベルのケアマネでは、そう遠くない未来に淘汰されてしまうかもしれません。
ケアプランAIについて。
ケアマネの負担削減と建前上言っていますが本音ではこれ以上ケアマネを増やしたくないだけなのでは…
「みんな現場で働きなさい」という無言の圧力を感じます。— あおい (@a_oi_777) January 11, 2019
このご意見もすごく分かりますね。
人手不足の業界でもありますので、少しでも現場の人手を増やすための施策ですよね。
ケアマネジメント立てるのがケアマネ1人あたり月額10,000円。今後データが蓄積されれば使わない選択肢がない…。
ケアデザイン人工知能「CDI Platform MAIA」。利用料はケアマネジャー1人あたり月額1万円で、インターネット経由で利用できる。
https://t.co/1mndeWEs57— 阿部洋輔/介護施設マネジャー (@yousuke0228) February 5, 2019
AIの進化が進めば、「使って当たり前」になってくるんでしょうね!
ケアマネはAIを使うスキルが必須になりそうです。
あ〜そうだ「ケアプランのAI化」あれは早くすべきですよね。ケアマネージャーの業務負担軽減にもなるし、地域資源全て打ち込んでおけばその地域の実情と本人にあったプランは出来ちゃうし、標準化は出来ますよね。
但し「課題整理総括表・アセスメント」にはその分注力しなきゃないし、そこがポイント
— ようかん@CSW (@Toyo2nd4585) December 29, 2018
ケアプランの質がケアマネの実力に左右されなくなるため、利用者さんにとって最適なプランが作られるようになりそうですよね!
もしAIがケアマネ業に参入してきたら、ケアプランの叩き台はAIが作って利用者様や家族との細かい調整をケアマネがするようになるのかな?将来、ケアマネの仕事をする役の一人あたりの対応人数は増えそう。報酬が見合えばいいが。
— モンちゃん@介護福祉系NS (@ns_monchan) June 1, 2018
AIの導入により、ケアプランを作成する手間は削減されそうですが、その分その他の業務が増えるのでは?という不安を抱く声もさらに聞こえてきそうですよね…。
今後の展開が気になるところです。
おわりに
ケアプランAIの登場により、ケアマネの業務は大幅に変わっていくことが予想されますが、介護は人間が対象の仕事であるため、AIがその全てに対応できるとは考えられません。
細かなケアをしていくためにも、ケアマネの存在はこれからも大切でしょうし、個々のスキルアップは欠かせないでしょう。
そしてケアマネにとって、AIを最低限使いこなすスキルは絶対的に必要になるはずですので、苦手意識を抱きすぎずに挑戦していって頂きたいですね。
何よりも、介護サービスを利用する利用者さんが、さらに最適なケアプランをもとによいケアを受けられる未来が来ることを願います。
それでは、今回も最後までご覧いただきありがとうございました。
優斗
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